警報設備 / 自動火災報知設備
火災受信機の増設リレーとは?
接点・移報停止・復旧確認を解説
受信機は火災表示しているのに移報先が反応しない。移報停止したはずなのに別の設備が動く。こうしたときは「コイルを動かす信号」「切り替わる接点」「移報先」の3つを分けて確認します。
1. 増設リレーの役割
代表火災信号を複数の外部設備へ渡すために、リレーの複数接点を利用する構成があります。ただし、代表火災信号を分岐しても階別・地区別情報が新たに生成されるわけではありません。受信機の出力容量やリレーの接点定格、移報先の入力仕様をそれぞれ確認します。
2. コイルと接点を分けて読む
| 部分 | 役割 | 確認事項 |
|---|---|---|
| コイル | リレーを動作させる | 定格電圧、AC/DC、極性、駆動元 |
| 接点 | 移報先の回路を開閉する | 接点構成、許容負荷、接続先 |
| ソケット | リレーと配線を接続する | 適合型式、端子表示、図面の向き |
| 移報先 | 信号を受け取る | 無電圧接点入力か電圧入力か、監視方式 |
無電圧接点とは、接点自体が電源を供給しないという意味です。接続済み端子が常に0Vという意味ではありません。導通測定は対象回路の電源と接続状態を確認し、活線状態で行わないでください。
3. a接点・b接点・c接点の動き
一般的な単安定電磁リレーでは、コイルが無励磁の状態を基準に接点を呼び分けます。
| 接点 | 無励磁 | 励磁 |
|---|---|---|
| a接点(NO) | 開 | 閉 |
| b接点(NC) | 閉 | 開 |
| c接点 | COM–NCが導通 | COM–NOが導通 |
接点の動作シミュレーション
a接点:開(OFF)
b接点:閉(ON)
c接点:COM–NC 導通
通常監視中にコイルが励磁している方式では、通常状態が表の「励磁」側になります。
4. リレーが動いても移報完了とは限らない
| 症状 | 確認候補 |
|---|---|
| 受信機は火災表示、リレーは動かない | 出力条件、停止設定、コイル側の電源・配線 |
| リレーは動くが一部の移報先が反応しない | 該当接点、配線、移報先入力条件 |
| 複数の移報先が反応しない | 共通駆動経路、停止箇所 |
| 復旧しても移報先の表示が残る | 接点の復帰、移報先側の表示保持 |
動作音・表示灯・接点状態・移報先での受信は、それぞれ異なる確認です。微小負荷に適した接点かどうかも製品仕様で確認します。
5. 移報停止は停止位置で影響が変わる
| 停止箇所の例 | 想定される影響 |
|---|---|
| リレーより上流 | 複数の移報先へ影響する可能性 |
| コイル駆動経路 | 同じコイルに連動する複数接点へ影響 |
| 個別の出力側 | 特定の移報先に限られる可能性 |
| 移報先の受け側 | 受信機側の出力は継続する場合がある |
リレーを抜けば安全に停止できるとは限りません。b接点、常時励磁回路、断線監視のある回路では、電源断や開放によって作動・異常が生じることがあります。メーカー指定の停止機能と現場の連動図を優先し、無断で配線やリレーを取り外さないでください。
6. 点検後の復旧チェック
このチェックは補助用です。現場の正式な点検・復旧手順に従ってください。
7. 法令・技術資料
消防庁の自動火災報知設備点検基準では、継電器の機能や附属装置への信号伝達等を確認します。具体的な端子番号・停止操作は機種別の取扱説明書で確認してください。
参考動画:火災受信機の移信接点増設リレー。本記事は動画の日本語音声・実演内容を検証したものではなく、公開資料に基づく独自解説です。